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2024年7月24日

空き家を売却する場合、税金はどうなる?売却時にかかる税金について解説します。

所有している空き家を売却した際には仲介手数料や不用品処分費用といった諸費用だけでなく、税金が発生することも知っておくべきです。

こうした税金を正しく計算するためには税理士や税務署へ相談するのが確実ですが、国税庁のHPで公開されている計算式を使うことである程度把握することが可能です。

そこで、この記事では空き家を売却することでかかる税金について、解説します。

これから空き家を売却する予定のある人は、参考にしてください。

 

空き家売却にかかる税金の種類

 

空き家を売却した場合、「取得方法」と「売却金額」に対し税金が発生します。

この章では空き家を「贈与」もしくは「相続」で取得した場合の税金と、売却して利益を得た場合の税金について解説します。

 

相続税

親から実家を相続するなど、相続取得によって空き家を入手した場合は相続税が発生します。

相続税は基礎控除によって課税額を減額することができ、減額後の取得金額によって、次の速算表を使って計算することが可能です。

 

法定相続分に応じた取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
1,000万円超から3,000万円以下 15% 50万円
3,000万円超から5,000万円以下 20% 200万円
5,000万円超から1億円以下 30% 700万円
1億円超から2億円以下 40% 1,700万円
2億円超から3億円以下 45% 2,700万円
3億円超から6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

 

たとえば相続した空き家の課税額が500万円だった場合、50万円の相続税を納税する必要があるといえます。

【参考サイト:No.4155 相続税の税率|国税庁

 

贈与税

贈与税は親からの生前贈与や第三者からの無償譲渡が該当し、課税額に応じて次の速算表で計算することができます。

<一般贈与財産>

 

基礎控除後の課税価格 一般税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

 

<特例贈与財産>

 

基礎控除後の課税価格 一般税率 控除額
200万円以下 10%
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 45% 265万円
4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

 

上記の通り、贈与税は「一般贈与財産」と「特別贈与財産」という2パターンがあり、18歳以上の受贈者が祖父母など直系尊属から贈与を受ける際には特別贈与財産となりそれ以外は一般贈与財産となります。

同じ課税額の場合特別贈与財産の方が税額が安くなり、たとえば500万円の贈与を受けた場合は一般贈与財産で85万円となるのに対し、特別贈与財産は70万円です。

これ以外にも直系尊属からの贈与については税制優遇を受けられるケースが多いため、利用できる制度のチェックは必須といえます。

【参考サイト:財産をもらったとき|国税庁

 

印紙税

印紙税は不動産売買契約書に貼付する印紙代金のことで、売買契約書に記載される代金によって次のように税額が変わります。

 

売買価格 印紙代
10万円を超え50万円以下 200円
50万円を超え100万円以下 500円
100万円を超え500万円以下 1,000円
500万円を超え1,000万円以下 5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下 10,000円
5,000万円を超え1億円以下 30,000円
1億円を超え5億円以下 60,000円
5億円を超え10億円以下 160,000円
10億円を超え50億円以下 320,000円
50億円を超える 480,000円

 

ただし印紙税は不動産売買契約書の原本を保有する人が支払うため、複写を保管する場合は免税となります。

そのため原本を売主と買主のどちらが保管するのかは契約前に決めておくべきといえます。

【参考サイト:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置|国税庁

 

譲渡所得税

空き家を取得し売却した結果利益が出た場合、売却益を課税額とした税金が発生します。

譲渡所得税と呼ばれるこの税金は次の計算式で課税額を計算することができます。

売却価格-売却にかかった取得費-購入価格-購入にかかった取得費

なお、上記の計算式にある「購入価格」は売買契約書に記載された価格がベースとなるため、契約書類がない場合は売却価格の5%が購入価格として扱うルールとなっています。

つまり、1,000万円で購入した空き家を500万円で売却した場合は本来譲渡所得税は発生しませんが、契約書がない場合は450万円が課税されることになるため、注意が必要です。

また、譲渡所得税は所有期間が5年を超える場合と5年以下の場合で税率が変わり、5年を超える場合は20.315%ですが5年を超える場合は39.63%となります。

このことからも、空き家を売却する際には所有期間も注意すべきポイントといえます。

 

空き家売却の節税方法

 

空き家を売却する際には税金がかかるケースが多いですが、節税方法もあります。

その中でも譲渡所得税に関する節税方法は多く公開されており、効果も大きいことからチェックしておくべきです。

この章で詳しく解説しますので、参考にしてください。

 

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

相続税を支払い取得した空き家を3年以内に売却した場合、相続税を譲渡所得税の取得費に加算することができます。

そのため課税額がプラスになる場合であっても譲渡所得税をゼロにできるケースがあるため、積極的に利用していきたい制度です。

【参考サイト:No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例|国税庁

 

被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例

親が1人暮らしをしていた空き家を相続した場合、一定条件を満たすことで譲渡所得税の課税額から3,000万円を控除することができます。

ただしこの特例は1人暮らしをしていて他に親族が生計を共にしていないなど適用要件が多いため、不動産会社や買取業者に適用可能か確認してもらうことをおすすめします。

【参考サイト:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁

 

居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例

取得した空き家に一度住み、住み替えなどによって空き家となった場合でも課税額から3,000万円を控除できる制度があります。

この制度は空き家になってから3年以内、更地にした場合は1年以内に売却することで利用することができ、居住用財産を売却する多くの売主が活用しています。

賃貸にだしていないマイホームであれば適用が認められるケースが多い制度ですが、利用するためには確定申告が必要となるため忘れずに準備しておくことが大切です。

【参考サイト:No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁

 

まとめ

 

空き家を売却した際には様々な税金が発生することから、手残り額を正しく計算するためにも具体的な税額をイメージしておくことが重要です。

またこれらの税金には特例によって控除を受けられるケースも多く、空き家の売却金額によっては税金をゼロにできることもあります。

そのためまずはどの税制控除が利用できるのかを確認し、手残り額が最大化する売却プランを立てることが重要といえます。

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