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2024年1月7日

相続時の共有持分処理について知っておくべきこと

 

不動産を共有名義で取得する場合、その「持分」については通常の単独名義の場合と比較して複雑な処理になるケースも少なくありません。

実際にこれから不動産を共有名義で取得する予定がある場合には、どういった処理内容になるのかを知っておくことが重要です。

そこで、不動産を相続し、その所有権を共有名義にする場合について解説します。

 

 

相続時の共有持分の取り扱いと基本

まずは、相続が発生した際の共有持分の取り扱いについて解説します。

 

共有持分の相続手続きと基本的な流れ

たとえば、親が亡くなって相続人がその子どもである兄弟姉妹になる場合、亡くなった親が不動産の共有名義人で持分を保有していた場合はその持分についても相続の対象となります。

よくある例としては、夫婦で不動産を共同購入して夫婦が共有名義人になっている場合において、配偶者の一方が亡くなって子どもがいる場合であれば、もう一方の配偶者と子どもが相続人となり、亡くなった配偶者が保有していた持分が相続財産の対象となるのです。

遺言書があればそれに従うのが一般的な流れになりますが、遺言書を遺していなかった場合は遺産分割協議により、相続人の誰がどれだけの割合の持分を相続するのかを決めることになります。

その後は、決まった相続内容に基づいて登記内容の変更手続きを申請するのですが、これは簡単なことではありませんので多くの場合は司法書士に依頼して手続きをしてもらうことになるでしょう。

 

遺産分割における共有持分の処理方法

遺産分割によって持分が相続される場合の処理内容ですが、いくつかの選択肢があります。

 

・持分を相続人で分割する

・当該不動産を売却して現金化してから分割する

・1人が持分をすべて引き取って共有状態を解消する

 

「持分を分割する」という選択肢はあまりおすすめできず、後に共有名義人同士でトラブルになった際に当該不動産の扱いが難しくなります。

そのため、持分を持っている全員の同意をもって売却・現金化してから協議内容に基づいて分割するというのがスマートな方法となります。

とはいえ、不動産はマイホームであるケースも多いため、住んでいる人が持分をすべて引き取って共有名義の状態を解消するという方法もあるのです。

その場合は相続の不平等が発生する可能性があるため、該当する金額分だけ現金等で買い取る形で持分を取得するといった選択肢になるでしょう。

いずれにしても、後にトラブルにならないためには、相続人同士で合意形成をしておき、それに基づいて持分の分割や譲渡などを行っておくことが重要です。

 

共有名義との関係と遺言書の重要性

次に、共有名義人になることの関係性と、遺言書の重要性について解説します。

 

共有名義の取り決めと相続時の影響

不動産を共有名義で取得することには、購入時にはメリットが多いですが、相続で持分を分割する場合にはトラブルの原因になる可能性があるという厄介な性質があります。

特に厄介なのは「共有名義人が増える可能性がある」ということで、相続する人数が多い場合だとその分だけ持分が細かく分割されてしまい、共有名義人の人数が多くなってしまうのです。

共有名義で取得している不動産は、その処分や管理において共有名義人の同意が必要となり、とくに売却などで処分する場合には共有名義人全員の同意が必要になります。

そのため、相続により共有名義人が増えてしまうと名義人同士での合意形成が難しくなってしまい、当該不動産の取り扱いが難しくなってしまうのです。

 

遺言書の役割と作成のポイント

こうしたトラブルを避けるためには、「遺言書」を遺すことで共有名義人の人数を制限し、後にトラブルになるリスクを少しでも抑えることが重要です。

亡くなった際にその人が遺言書を遺していた場合、通常は遺産分割協議で相続内容を決定するところを、原則として遺言書の内容に則って遺産分割を進めることになります。

遺留分減殺請求の可能性はありますが、遺言書を遺しておけば遺産分割でトラブルになるリスクを減らすことは可能です。

なお、どういった形式でも有効な遺言書として成立するわけではありませんので、法律の専門家のアドバイスを受けつつ遺言書を作成することをおすすめします。

 

共有持分処理の円満な進め方と注意事項

最後に、共有持分の相続時の処理の円満な進め方について解説します。

 

合意形成と円滑な共有持分処理

相続により持分が相続人に分割されることになる場合、いかにして相続人同士で合意を形成できるかという点が重要になります。

相続人間できちんと合意が形成される状況にあるのであれば、持分が分割されても大きなトラブルになる可能性は低くなります。

逆に、相続人同士が仲が悪かったり考え方が大きく異なる場合だと、いざというときに不動産の取り扱いにトラブルが生じることになるでしょう。

そのため、相続人同士で合意を形成しやすい場合であれば持分を分割しても良いでしょうし、そうでない場合は共有名義人の1人がほかの名義人から持分を買い取るなどして胸中状態を解消して、トラブルが起きないようにするといった工夫が必要になります。

 

専門家のアドバイスとアシスト

とはいえ、不動産や法律関係に詳しくない人たちが話し合っても、最適な形で終わらせることができないケースも多いでしょう。

そのため、不動産の共有持分の相続・分割において円満な終わり方をするためには、不動産関連や法律関連に詳しい専門家の助力を得ることも必要になります。

こうした専門家は過去に何度も不動産の共有持分の相続問題について取り扱っていますので、現状の状況を勘案して最適な選択肢を提示してくれるでしょう。

専門家の意見を参考にすることで、相続人同士での合意形成も納得しやすくなり、後にトラブルの種を残しにくくなりますので、余計な手間をとられることなく共有名義不動産の相続問題を解決することができます。

 

まとめ

共有名義になっている不動産の持分は相続の対象になりますが、相続人にとってはトラブルの原因になりやすい厄介な問題でもあります。

必要に応じて専門家のアドバイス・サポートを受けつつ、円満に相続問題を解消しましょう。

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