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2023年9月18日

再建築不可物件の旗竿地を再建築可能とする方法

 

再建築不可物件の中には、接道義務を満たさない間口が2メートル未満の「旗竿地」も含まれています。

旗竿地とは上空から俯瞰した際、建物の所在する部分が「旗」、路地部分が「竿」のような形状の土地です。

ここでは、再建築不可物件の旗竿地を再建築可能とする方法についてご紹介します。

 

 

再建築不可物件となる旗竿地の特徴

旗竿地は道路に面している間口から路地を抜けて、建物部分に到達するタイプの敷地です。

路地部分が「竿」、建物部分が「旗」のように見えることが、旗竿地の名称の由来とされています。

 

旗竿地は不整形地に分類されることもあり、周辺相場と比べて割安に購入することが可能です。

 

ただし旗竿地の中には再建築不可物件に指定されるものも見受けられます。

再建築不可物件となる旗竿地の特徴は次の2つです。

 

・建築基準法の「接道義務」を果たしていない

・自治体ごとの条例(建築基準)に抵触する

 

建築基準法の「接道義務」を果たしていない

建築基準法の「接道義務」を果たしていない旗竿地は、再建築不可物件に指定されてしまいます。

 

接道義務を果たすためには、幅員4メートル以上の「道路」に敷地が2メートル以上接していることが条件です。

旗竿地の場合、道路に接するのは路地部分の間口となります。

 

間口2メートル未満の旗竿地⇒再建築不可物件

間口2メートル以上の旗竿地⇒再建築可能

 

仮に間口が1メートル99センチの場合、たった1センチの差で再建築不可物件として扱われてしまいます。

一方で間口が2メートル1センチであれば、再建築可能として建て替えや増改築が可能です。

 

自治体ごとの条例(建築基準)に抵触する

旗竿地が再建築不可物件となる理由は、建築基準法の接道義務だけではありません。

敷地の所在する市区町村自治体ごとの条例もチェックしたいところです。

 

東京都建築安全条例では「路地状敷地の形態」として、路地部分の長さごとの幅員が設定されています。

 

路地状部分の長さ(敷地内) 路地状部分の幅員
20メートル以下 2メートル
20メートル超 3メートル

 

建物が耐火建築物もしくは、準耐火建築物に該当しない200㎡の敷地の場合には、次の基準が適用されます。

 

路地状部分の長さ(敷地内) 路地状部分の幅員
20メートル以下 3メートル
20メートル超 4メートル

 

ほかにも建物の延べ面積に応じた接道の長さが設けられています。

 

延べ面積 接道の長さ
1,000㎡超~2,000㎡以下 6メートル
2,000㎡超~3,000㎡以下 8メートル
3,000㎡超 10メートル

 

参考資料
東京都建築安全条例
第二節 敷地及び道路(路地状敷地の形態) 第三条

https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00001306.html#e000000302

 

江戸川区役所

2-4敷地が道路より奥にある場合は建築はできますか?

https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e021/kurashi/sumai/sumai_tebiki/kenchiku/2_4.html

 

再建築不可物件の旗竿地を再建築可能とする方法

再建築不可物件の旗竿地を再建築可能とする方法は、隣家との関係性が大きく影響します。

現実的な対処法は路地部分に面する隣地の購入です。

 

旗竿地の間口が1メートル99センチであれば、隣地より1センチ相当の土地を売却してもらうことで再建築可能物件へと切り替わります。

代案として土地の等価交換も有効です。

 

再建築不可問題が未解決の旗竿地の活用方法

隣地との交渉が難航した場合、再建築不可問題が未解決のまま旗竿地の所有が継続されます。

再建築不可物件は建て替えや増改築が認められません。

必然的に建物のリフォームが第一の選択肢となり得ます。

 

再建築不可の旗竿地のリフォーム

ご自身で居住する目的であれば、水回りや内装などのリフォームで住環境を整えるのもひとつのやり方です。

可能であれば耐震基準の調査や害虫駆除も検討しておきましょう。

 

特に建物の基礎部分は念入りに調査したいところです。

雨漏りの有無も確認の必須項目です。

 

再建築不可の旗竿地を賃貸物件にする

再建築不可の旗竿地を賃貸物件にするのも有効な活用方法です。

交通アクセスの良好なエリアであれば、入居者の応募が期待できるでしょう。

アパートのほか、シェアハウスとしてのリフォームがおすすめです。

 

ただし、再建築不可物件には1950年施行の建築基準法や、1968年施行の都市計画法以前に建てられた建物が含まれています。

そのことから、期間限定の物件として貸し出すのが無難かもしれません。

 

再建築不可の旗竿地を駐車場や駐輪場にする

築年数がかなり経過した建物の場合には、建物の解体後に駐車場や駐輪場にするのも活用方法となり得ます。

 

あらかじめ間口からの路地部分が、自動車が通行できるスペースであることを確認することが重要です。

 

とはいえ、再建築不可の旗竿地の路地(2メートル未満)を通行可能な車両は軽自動車に限定されてしまいます。

運転技術によっては軽自動車の進入も難しいかもしれません。

 

そうなりますとバイクも含めた駐輪場が現実的な活用方法と言えるでしょう。

 

建物の解体後は固定資産税や都市計画税が上昇する

 

再建築不可の旗竿地にて建物の解体後は、土地に対する固定資産税や都市計画税が上昇します。

何故ならば、土地に建物を有していることで、軽減措置が適用されるためです。

 

  税金の名称 軽減措置
小規模住宅用地

※200㎡以下

固定資産税 固定資産税評価額×6分の1
小規模住宅用地

※200㎡以下

都市計画税 固定資産税評価額×3分の1
一般住宅用地

※200㎡超

固定資産税 固定資産税評価額×3分の1
一般住宅用地

※200㎡超

都市計画税 固定資産税評価額×3分の2

 

土地のみとなった際の固定資産税や都市計画税の計算式は次のとおり。

 

固定資産税=固定資産税評価額×1.4

都市計画税=固定資産税評価額×0.3

 

建物を解体する前には、解体後の固定資産税や都市計画税も考慮することをおすすめします。

 

まとめ

ここまで、再建築不可物件の旗竿地を再建築可能とする方法について紹介してきました。

旗竿地は不整形地に分類されることから、周辺相場と比べて割安で購入できる土地です。

旗竿地を購入する際には、道路に接する間口の長さを必ず確認しましょう。

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