ワケアーリ|共有持分、底地、再建築不可など、訳アリ物件トラブル解決

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2023年9月17日

共有持分の不動産収入は事業所得の扱いで青色申告の優遇措置が受けられる

 

アパートなどの賃貸物件を共有持分で登記している場合、賃料による不動産収入に対する確定申告が義務付けられます。

共有持分の不動産が「5棟10室」の基準を満たした際には事業所得の扱いとなり、青色申告の優遇措置を受けることが可能です。

 

ここでは、共有持分の不動産収入で受けられる青色申告の優遇措置についてご紹介します。

 

 

確定申告は青色申告と白色申告の2種類が存在する

確定申告とは、前年度の1月1日から12月31日までの所得を文字通り”確定”するための手続きです。

2月16日から3月15日の間に確定申告および、所得税の納付を済ませることが義務付けられています。

 

確定申告は青色申告と白色申告の2種類より選択可能です。

青色申告を選ぶ場合には、所轄の税務署に青色申告承認申請書を提出する必要があります。

青色申告承認申請書の提出期限は、青色申告を希望する年の3月15日までです。

 

青色申告⇒青色申告承認申請書の提出済みの方

白色申告⇒青色申告承認申請書を提出していないすべての方

 

  控除額 記帳方式 主な提出書類 申告方式
白色申告 基礎控除額のみ 単式簿記 収支内訳書 書類提出
郵送
e-tax
青色申告

(10万円控除)

基礎控除額+10万円 単式簿記 青色申告決算書
※損益計算書
書類提出
郵送
e-tax
青色申告

(55万円控除)

基礎控除額+55万円 複式簿記 青色申告決算書

※損益計算書

※貸借対照表

書類提出

郵送

e-tax

青色申告

(65万円控除)

基礎控除額+65万円 複式簿記 青色申告決算書

※損益計算書

※貸借対照表

e-tax

 

合計所得金額 基礎控除額
~24,000,000円 480,000円
24,000,001円~24,500,000円 320,000円
24,500,001円~25,000,000円 160,000円
25,000,001円~ 0円

 

合計所得金額が2,400万円以内の場合、白色申告の所得控除は基礎控除額のみの48万円です。

青色申告を選択した際には、最大で基礎控除額+65万円=113万円の所得控除が適用されます。

※青色申告+e-Taxでの納付が必須

 

共有持分の不動産収入にて青色申告の優遇措置を受ける条件

 

共有持分の不動産収入にて青色申告の優遇措置を受ける条件は次のとおりです。

 

・共有持分の名義人が青色申告承認申請書を税務署に提出済み

・不動産所得ではなく事業所得としての確定申告

 

まず青色申告承認申請書を提出していない方は、自動的に白色申告での確定申告となります。

青色申告を希望する方は、必ずその年の3月15日までに青色申告承認申請書を提出してください。

青色申告承認申請書は1度承認された時点で翌年以降の提出は不要です。

 

不動産収入を事業所得とするためには?

不動産収入のうち賃料などは不動産所得、物件の売却益は譲渡所得に分類されます。

 

・不動産所得⇒総合課税

・譲渡所得⇒分離課税

 

総合課税と分離課税のわかりやすい違いは税率です。

総合課税には以下の税率が適用されます。

 

課税所得金額 税率 課税控除額
1,000円から1,949,000円 5% 0円
1,950,000円から3,299,000円 10% 97,500円
3,300,000円から6,949,000円 20% 427,500円
6,950,000円から8,999,000円 23% 636,000円
9,000,000円から17,999,000円 33% 1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円 40% 2,796,000円
40,000,000円以上 45% 4,796,000円

 

不動産譲渡所得は物件の所有期間に応じた税率が採用されています。

 

  長期譲渡所得 短期譲渡所得
不動産の所有期間 5年超 5年以内
税率 20.315%

※所得税:15%

※復興特別所得税:0.315%

※住民税:5%

39.63%

※所得税:30%

※復興特別所得税:0.63%

※住民税:9%

 

不動産収入を事業所得とするためには、以下の条件を満たす必要があります。

 

・賃貸アパートやマンションの部屋数が10室以上

・賃貸戸建て住宅の棟数が5棟以上

 

上記の条件を満たしている不動産であれば、共有名義であっても事業所得としての青色申告が可能です。

共有名義の場合には、共有持分に応じた所得で申告することになります。

 

共有持分 確定申告が必要な所得
名義人A:2分の1

名義人B:2分の1

名義人A:150万円

名義人B:150万円

名義人A:3分の2

名義人B:3分の1

名義人A:200万円

名義人B:100万円

名義人A:4分の3

名義人B:4分の1

名義人A:225万円

名義人B:75万円

名義人A:5分の3

名義人B:5分の2

名義人A:180万円

名義人B:120万円

※年間の不動産収入500万円、経費200万円にて算出

 

共有持分の不動産の青色申告特別控除

共有持分の不動産では、それぞれの名義人ごとに青色申告特別控除を適用することが可能です。

最大65万円の青色申告特別控除が適用された際の所得は次のとおり。

 

共有持分 確定申告が必要な所得 青色申告特別控除後の所得

※基礎控除額+65万円

名義人A:2分の1

名義人B:2分の1

名義人A:150万円

名義人B:150万円

名義人A:37万円

名義人B:37万円

名義人A:3分の2

名義人B:3分の1

名義人A:200万円

名義人B:100万円

名義人A:87万円

名義人B:0円

名義人A:4分の3

名義人B:4分の1

名義人A:225万円

名義人B:75万円

名義人A:112万円

名義人B:0円

名義人A:5分の3

名義人B:5分の2

名義人A:180万円

名義人B:120万円

名義人A:67万円

名義人B:7万円

 

青色申告の決算書には建物の減価償却費も共有持分にて記載する

共有持分の不動産の場合、青色申告の決算書に共有持分ごとの減価償却費を記載する必要があります。

 

共有持分 減価償却費
名義人A:2分の1

名義人B:2分の1

名義人A:1,500万円

名義人B:1,500万円

名義人A:3分の2

名義人B:3分の1

名義人A:2,000万円

名義人B:1,000万円

名義人A:4分の3

名義人B:4分の1

名義人A:2,250万円

名義人B:750万円

名義人A:5分の3

名義人B:5分の2

名義人A:1,800万円

名義人B:1,200万円

※減価償却費3,000万円にて算出

 

まとめ

ここまで、共有持分の不動産収入で受けられる青色申告の優遇措置について紹介してきました。

青色申告を採用する際には市販の会計ソフトの利用や、税理士への相談をおすすめします。

不動産買取業者
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