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2024年2月25日

立ち退き補償の計算方法と公平な取り決めの重要性

 

不動産のオーナーは、住居やビジネス目的で建物を貸し出している場合において、勝手に立ち退きを要求することはできず、仮に立ち退きを要求しても一部の場合を除いて借主はその立ち退き要求に応じる必要はありません。

それでも立ち退きを認めてもらうために、オーナーは「立ち退き料」という補償を用意することが多いのですが、実際にはどれくらいの金額を用意する必要があるのでしょうか。

そこで今回は、立ち退き料の相場や取り決めについて解説します。

 

 

立ち退き料とは

「立ち退き料」とは、借地借家法が適用される不動産の賃貸借契約において、オーナー都合で借主側に退去を求める際に、借主側が退去に応じるにあったって生じる損害や費用をオーナー側が補償するために支払う金銭のことです。

 

借地借家法の適用

不動産を貸して賃料を受け取る契約をするにあたっては、その賃貸借契約の多くは借地借家法の適用を受けることになり、この法律は借主側の権利を大きく守る内容となっています。

借地借家法では、不動産の賃貸借契約において、契約更新のタイミングでオーナー側は正当な事由がない限りは契約更新を拒否することはできないとされているのです。

では、この「正当な事由」とは何かというと、これについては専門的な内容になる上に裁判でも争っている内容になりやすいので割愛しますが、たとえば「貸している不動産が老朽化していて、建て替えを検討している」といった内容が挙げられます。

確かにこうした理由があれば借主側も退去に応じたほうが良いのかもしれませんが、実際の判例では建物の老朽化だけを理由に借地借家法が定める退去事由の正当な事由には不十分とする決定を下していることが多いのです。

そのため、退去事由として正当な内容とするために、こうした事情に加えてオーナー側が十分な立ち退き料を支払うことを求めています。

 

立ち退き料はいくら支払えば良いのか?

借地借家法では、立ち退き料に関する内容について触れてはいますが、具体的に何円支払えば正当な事由として認められるかについては規定がありません。

たとえば「賃料の〇か月分」と規定されていれば、立ち退き料を支払うオーナー側も金額を確定させることができますし、借主側も納得しやすいでしょう。

しかし、借地借家法をはじめとして不動産の貸し借りに関係する法律では、立ち退き料の具体的な金額については一切言及されていません。

つまり、オーナー側は基本的に借主との交渉で立ち退き料の具体的な金額を決めることになり、交渉が終わる、または裁判所の判決が下るまでは立ち退き料の金額を確定することができないのです。

 

立ち退き料のケースごとの相場

立ち退き料の金額については、基本的に「借主側が交渉で納得する金額」や「裁判所で正当な事由として認められる金額」を提示することが必要になります。

具体的な金額は事情ごとにことなりケースバイケースではありますが、ある程度の「相場」というものはあるのです。

 

住居の賃貸借契約の場合

戸建て住宅やアパートでの立ち退き要求における立ち退き料の相場については、おおむね100万円~200万円が相場となっています。

この金額の計算内容としては、引っ越し費用+転居先の家賃の6か月分相当で計算されることが多く、裁判例としても立ち退き料を200万円とする判例が多く見られるのです。

ビジネス目的での貸し出しと比較すると1件当たりの立ち退き料としては金額が安く見積もられていますが、アパートやマンションのような集合住宅の場合だと多くの場合は全戸において立ち退き料の支払いが必要になるため、全件合わせると相応の金額になる可能性があることを念頭に置いておきましょう。

 

テナントの場合

テナントの場合だと、住居用の賃貸借契約よりも高額な立ち退き料になるケースが多いです。

テナントということはビジネス目的であり、移転が必要になるということは既存の常連客を失う可能性がありますし、新店舗での集客のための広告展開も必要になることから、テナント側が被る損害が多く算定されるからです。

そのため、賃料の安い小規模店舗のテナントの場合であっても、1000万円を超える立ち退き料を求められるケースが多くなります。

より高額なビジネス規模のテナントの場合だとより多くの立ち退き料が求められるケースもありますし、ビルのように複数のテナントを有する場合だと総額で億単位の立ち退き料が必要になるケースもあると覚えておきましょう。

 

オフィスの場合

同じビジネス目的でも「オフィス」として貸し出している場合であれば、店舗として貸し出している場合よりも立ち退き料が少額で済むケースが多くなります。

理由としては、販売店やサービス店のように立地が重要になるテナントと比較して、電話やインターネットのように場所を問わずにビジネスを展開できるオフィスの場合だと立ち退き・移転による商業的な損失は低いと見積もられるため、必要な立ち退き料もそこまで高く算定されないのです。

ただし、それでも賃料の2年分相当の金額が必要になるケースも多く、オフィスビルのように複数の企業に貸し出している場合だと総額で相応の金額になる可能性があることについては想定しておく必要があります。

 

トラブルにならないための立ち退き料の取り決め方法

立ち退き料の決め方については、相互の合意や裁判所の決定などで決まりますが、よりスムーズに解決するためには弁護士のサポートが必要になるケースも少なくありません。

 

立ち退きに関してトラブルになるケースは少なくない

物件からの立ち退き要求に関しては、後々にトラブルに発展するケースも少なくありません。

物件のオーナーの中には、オーナーという立場を利用して借地借家法の規定を無視し、借主に対して不当な条件で立ち退きを強制するケースも少なくないのです。

借主はそのような横暴に対して弁護士を入れて対抗してくるケースも多く、場合によっては想定外の費用を負担せざるを得ない状況になることも少なくありません。

 

円滑な交渉には弁護士のサポートが重要

立ち退き要求をしたいオーナーとしては、取り壊しや再開発などの事情から少しでも立ち退き交渉を手早く済ませたい場合や、少しでも立ち退き料を少なく抑えたいというケースも多いです。

そのためには、法律や判例の専門家である弁護士のサポートを得ることが重要になります。

弁護士は過去のケースからその事例における適正な立ち退き料を提示することができ、借主側も「弁護士が言うのであれば」ということで納得してくれる可能性が高くなるのです。

 

まとめ

立ち退き料を支払うことで納得してくれる借主も多いですが、場合によっては立ち退き交渉が難航することもあります。

少しでもスムーズに交渉を進めるためには、立ち退き交渉に何度も関わってきた弁護士のサポートを利用することをおすすめします。

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