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2024年4月27日

共有持分の不動産買取を選ぶメリットとデメリット

 

共有持分は活用が難しい不動産の一種です。
ほかの共有者(名義人)からの同意が得られないと、建て替えや増改築が認められません。
賃貸や売却の際にも、ほかの共有者からの同意が必須です。

 

ここでは、共有持分の不動産買取を選ぶメリットとデメリットについてご紹介します。

 

 

共有持分のみの売却はできる?できない?

共有持分のみを売却することは可能です。
次の3つが共有持分のみの売却先の候補として考えられます。

 

・第三者
・ほかの共有者(名義人)
・不動産会社(買取)

 

共有持分のみの売却先「第三者」

共有持分のみの第三者への売却は、法的に認められています。
共有持分のみの売却に関しては、ほかの共有者からの同意が不要なことがその理由です。
ただし、共有持分の不動産は活用の際、ほかの共有者の同意が前提となります。

 

活用方法 活用するための条件
共有持分のアパートを賃貸物件にする 過半数の共有者からの同意
共有持分のアパートを売却する 共有者全員の同意
共有持分の土地部分への建築 共有者全員の同意
共有持分の建物の建て替え 共有者全員の同意
共有持分の建物の増改築 共有者全員の同意

 

特に「共有者全員の同意」が必要な活用方法の場合、共有者一人ひとりと交渉することになるため、第三者としては二の足を踏むことにもなりかねません。
そのことから、実際には第三者への共有持分のみの売却は困難であると言えるでしょう。

 

ほかの共有者(名義人)

共有持分のみの売却先として、ほかの共有者(名義人)もあげられます。

 

  得られるメリット
共有持分を購入した共有者 持分割合が増える
共有持分を売却した共有者 共有持分の現金化が実現

 

ある程度まとまった金額を用意できる共有者であることが条件となりますが、平和的解決に結びつく売却先と言えるでしょう。

 

共有持分の価格設定の際には、周辺相場に則った価格にすることが重要です。
有料になりますが、不動産鑑定士に依頼することをおすすめします。

 

贈与税

ほかの共有者に共有持分を売却する際にありがちなのは、周辺相場よりも安価にて譲渡するパターンです。
共有者によっては「無料」で譲渡することも考えられます。

 

周辺相場よりも安すぎる金額での譲渡は、贈与とみなされるかもしれません。
年間で110万円を超える金額の贈与には、贈与税の納付義務が生じます。
※贈与税額の基礎控除額が110万円のため

 

基礎控除後の課税価格 贈与税率 控除額
200万円以下 10%  
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

※一般財産贈与用(一般税率)

 

不動産会社(買取)

共有持分の売却先として、不動産会社の買取も選択肢に含まれます。
買取とは文字通り不動産会社に直接、共有持分のみを買い取ってもらうものです。
一般の売却と異なり、売却先を探す手間が省けるため、早期の現金化が期待できます。

 

共有持分の不動産買取を選ぶ2つのメリット

共有持分の不動産買取のメリットは次の2点です。

 

・早期の現金化
・仲介手数料が発生しない

 

早期の現金化

不動産会社の買取は売却先を探す必要がありません。
買取先の不動産会社と直に交渉する形です。
早ければ1ヶ月ほどで共有持分のみの売却が成立します。

 

仲介手数料が発生しない

不動産会社の買取は仲介手数料が発生しません。
不動産会社が共有持分のみを直接買い取ってくれるためです。
仲介手数料は以下の計算式にて算出されます。

 

売買価格 計算式
200万円以下 売買価格×5%+消費税10%
200万円超~400万円以下 売買価格×4%+2万円+消費税10%
400万円超 売買価格×3%+6万円+消費税10%

 

共有持分の不動産買取を選ぶ2つのデメリット

共有持分の不動産買取には、早期の現金化や仲介手数料が発生しないメリットが得られる一方で、以下の2つのデメリットが生じる可能性があります。

 

・周辺相場と比べて割安になりやすい
・ほかの共有者に対する「共有物分割請求」

 

周辺相場と比べて割安になりやすい

共有持分は、物件の購入時の出資額に応じて持分割合が決まります。

 

出資額の割合 共有持分
名義人A:50%
名義人B:50%
名義人A:2分の1
名義人B:2分の1
名義人A:60%
名義人B:40%
名義人A:5分の3
名義人B:5分の2
名義人A:40%
名義人B:30%
名義人C:30%
名義人A:5分の2
名義人B:10分の3
名義人C:10分の3
名義人A:40%
名義人B:30%
名義人C:20%
名義人D:10%
名義人A:5分の2
名義人B:10分の3
名義人C:5分の1
名義人D:10分の1

 

たとえば不動産全体に対して5,000万円の相場価格が期待できる場合、共有持分が2分の1であれば2,500万円よりも下回る金額での買取となります。
共有持分が5分の1であれば、1,000万円以下での買取が基本です。

 

共有持分は、ほかの共有者からの同意を得ることが活用の前提となるため、周辺相場の半額以下の価格での買取も想定されます。

 

ほかの共有者に対する「共有物分割請求」

共有持分のみの不動産買取のデメリットとして、ほかの共有者に対する「共有物分割請求」があげられます。
共有物分割請求は裁判所で行われる手続きです。
共有物分割請求が認められた際には、ほかの共有者の共有持分が解消されてしまいます。

 

分割方法 内容
現物分割 共有物の不動産(土地)を共有持分を基に分筆後、それぞれの共有者の単独所有とする
代金分割 共有物の売却および競売後に売却金額を分割
全面的価格賠償 共有者のうち1名の単独所有とする代わりに、ほかの共有者にはそれぞれの共有持分に応じた金額を支払う

 

単独所有となった不動産は建て替えや増改築、賃貸や売却などの活用を所有者の一存で決めることが可能です。

 

まとめ

ここまで、共有持分の不動産買取を選ぶメリットとデメリットを紹介してきました。
共有持分のみを売却することはできますが、事前にほかの共有者と相談してから買取や売却に臨むことをおすすめします。

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